高齢者婚活パーティーで出会って見事マッチングを果たした、
鈴木博さん（仮名・東京都）６０代の男性の方と、斉藤京子さん（仮名・埼玉県）５０代の女性の方。


博「悩みまくり。ははは。仕事は上手くいかないし、毛は生えないし、家族とも上手くいかなくなるしで。あの時は本当に参った。」

京子「それで、カツラを？」

博「そうそう。家庭は失敗してしまったけど、仕事はそのまま続けてね。育毛が無理だったんでカツラを選んだんだ。」

京子「なるほど。」

博「でも取引先やお客様にバレちゃうと、育毛サロンなのに効果が無いのかって、イメージが悪いから、かなり精巧な作りでフルオーダーメイドで作ったんだ。」

京子「だから分からないわけだわ。」

博「それで、徐々に仕事の方もいい感じに戻ってきて。今では営業から離れて、部署を変えて部長に、ってわけさ。ただ昔からの職場の仲間はみんな知ってるけどね。カツラのことは。」

京子「そうだったのね。博さんの人生ストーリー、壮大だったわ・・・。髪の毛でそんなにも仕事や家庭に影響が出ることってあるのね。」

博「薄毛がそんなに事件なわけじゃ無いよ。あくまで仕事が育毛サロンだったから。他の職種だったらそんなに気にもしなかったかもしれないし。」

京子「そ、そうね。」

博「もし他の職種だったら・・・カツラだって作らなかったかもしれないし、京ちゃんに初めて会った時だって、これの状態だったかもしれない。」

と、自らの丸い頭をスリスリを撫でながら言いました。



＜続く＞