高齢者婚活パーティーで出会って見事マッチングを果たした、
田中哲二さん（仮名・埼玉県）６０代の男性の方と、三浦加代さん（仮名・千葉県）５０代の女性の方。

イタリアンレストラン。テーブルの上で手をつなぐお二人。

哲二「こうして手をつなぐことが久しぶりだ・・・。」

加代「私も・・・・」

その時、
店員「お待たせしました。ドルチェのティラミスでございます。」

哲二・加代「！！」

お二人は慌ててお互いの手を離しました。

若い頃でもあるまいし、人前で手をつなぐという行為が、二人ともものすごく恥ずかしいことに思えたのでした。

哲二（つい、こんな人前で。恥ずかしいな・・・。）

加代（このお店の雰囲気でかしら。なんだかつい、ウットリしちゃった・・・。）

お二人それぞれの前にティラミスの皿を並べる店員。
パッと離した手を、横目で見ていたような気がします。

店員「お食事は以上でお揃いでしょうか。それでは失礼いたします。」

去っていった店員さんの背中を確認して、ふと思いました。

加代「こんなこと前にもあったような・・・」

哲二「え？」

加代「話しているときに店員さんが入ってきて中断されるような展開。どこかで・・・あっ」

加代さんは思い出しました。
それは、居酒屋てっちゃんでの出来事。
何度も大将が話している最中に、テーブルに割って入ってきたっけ。

哲二「何？どうしたの？」

加代「いえ、なんでもないの。あ、デザート美味しそうね。写真撮っちゃおうかしら」

哲二「でた、インスタ映え。」

加代「だからインスタじゃないってば〜。」


＜続く＞