高齢者婚活パーティーで出会って見事マッチングを果たした、
鈴木博さん（仮名・東京都）６０代の男性の方と、斉藤京子さん（仮名・埼玉県）５０代の女性の方。

京子「じゃあ一緒に行きましょうよ。映画。」

会話の流れで自然と映画に誘う京子さん。

博「え？本当？」

京子「ええ、もちろん。私もあの作品、見たかったから。」

じゃあ、いつにしようかしら？と京子さんが話を切り出しかけたとき、

博「それは嬉しいな！この辺りで上映中の映画館あるかな？」

と博さんはニコニコと、早速スマホで映画館を調べ始めました。

京子（え？これから？）

てっきり後日の話かと思ったのに。
まあ、確かに今日はランチの約束だけで、他の予定は何も決めていなかったけど・・・・。

博「あ、京子さん都合ある？このあと。一緒に映画見れる時間あるかな？」

ふとスマホから顔を上げて尋ねる博さんに対し、京子さんはとっさに、

京子「あ、大丈夫よ。今日は１日お休みにしてて、予定は他に入れていないから・・・。」

博「そっか！よし。」

再びスマホに目を移し、映画館を調べる博さん。

京子（鈴木さんって行動派なんだなあ。じゃあ、これから行こうっていう行動力、なんだか学生の時のことを思い出しちゃう。
・・・って、あれ？ 私、鈴木さんだから良いように捉えちゃってるのかしら？）

博「じゃあ、夜まで大丈夫なわけだ。」

京子「え？」

博「京子さんと、夜まで一緒にいられるのかなって。」

京子「え、ええ・・・。いいけど・・・・。」

京子（え？え？何なに？何これ。すごく動揺しているわ私、どうしたのかしら・・・。）

急な博さんの言葉に、思わずドキッとしてしまいます。

京子（そして、やっぱり鈴木さんって女性に慣れてるようにしか思えないわ。私からかわれてるのかしら・・・。）

博さんはドギマギする京子さんの様子を見て、クスッと笑い

博「ほら。」

京子「え？」

博「近くで上映中の映画館、見つけた。」

スマホの画面を見せながら、京子さんに微笑みかけました。



＜続く＞