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想い出の学び舎で「義明さん幸子さん」28

高齢者婚活パーティーで出会って見事マッチングを果たした、
鈴木義明さん(仮名・東京都)60代の男性の方と、高橋幸子さん(仮名・神奈川県)50代の女性の方。

同じ高校の同窓生だったお二人。
日曜に思い出の出身校に来ています。

義明「俺はバレー部だったよ。実は友達と遊んで投げて挟まった白いボールってのは、バレーボールだったんだよ」

幸子「まあ!じゃあ、そのボールって・・・」

体育館の天井を見上げると、その時の挟まったボールが・・・

幸子「・・・無いわね。」

義明「無いなあ。」

流石にその頃からかなり年数が経っていたというのもあるのでしょう。

白いボールはもちろん、幸子さんの代になって増えていた赤いボールも勿論、何も挟まっているものはありませんでした。

義明「さすがに無いかあ、ははは。」

幸子「そうね。随分前の話だもの。でもちょっと残念ね」

義明「でも、こうして昔の青春時代の思い出を、時を経て、幸子さんと共有できていることが嬉しいよ」

幸子「私もよ。懐かしい思い出を分かち合えるのって素敵よね」

義明「・・・青春時代だけでなく、これからの思い出も、二人で共有できたら幸せだなって思うんだけど。幸子さんはどうだい?」

幸子「え?ええ、そうね」

義明「・・・・」

幸子「ん?」

義明「いや、今の結構、勇気を出して言った台詞だったんだけど・・・」

幸子「え?何が?」

義明「いや・・・大丈夫だよ」

幸子「大丈夫って。え?何なにー?」





後ほど義明さんに聞いたらこの時は
「二人の思い出の学び舎で、男としてのケジメをつけるつもりだった」

らしのですが、肝心の幸子さんはそれに気づかず・・・。

この話が笑い話になるのは、この時からしばらくしての出来事でした。



中高年お見合いパーティで出会ったお二人。

旅行をキッカケにさらに距離が縮まり、今ではすっかり仲良くラブラブなようです。

義明さん、幸子さん。

末長くお幸せに!


<終わり>



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